地学部 春休み合宿(石川・福井方面)

2025.04.12

  • 地学部

地学部は4月2日から4日にかけて、2泊3日で福井県・石川県で巡検合宿を行いました。
新高2の生徒たちが中心に企画・準備をしてくれました。
残念ながら天候は3日間を通していまひとつで、夜の星空観察ができなかっただけでなく、雨が降った二日目には一部行程を変更しての実施となりましたが、それでも、バスの運転手さんに臨機応変なご対応をいただきながら、充実した内容の巡検とすることができました。写真とともに、簡単に内容をご紹介します。


初日は、敦賀駅到着後、三方湖のほとりで昼食をとり、その後、福井県年縞博物館を見学しました


年縞の研究や展示について解説をしていただきました。


年縞から読み取れる情報の多さに生徒たちは驚いていました。


水月湖に堆積した、7万年分、45mの縞模様の地層がステンドグラスのような形で展示されています。この年縞が、正確な「年代のものさし」の役割を果たします。


次に、年縞博物館に隣接する若狭三方縄文博物館を訪れました。こちらでも、解説をしていただきながら展示を見てまわりました。


ホールには縄文時代前期のスギの大株が展示されていました。


三方五湖を展望し、断層地形や湖の色の違いなどを確認したのち、宿舎となる福井市少年自然の家に向かいました。


二日目は、石川県の「白山手取川ユネスコ世界ジオパーク」の一部を見てまわりました。写真は、桑島化石壁と呼ばれる大露頭で、中生代白亜紀前期の化石産出地です。


手取川の下方侵食作用によって形成された手取峡谷で集合写真を撮りました。


手取峡谷に落ちる、落差32mの綿ヶ滝は迫力がありました。


周辺の岩石より硬く、侵食作用に強い火成岩の岩脈が、夫婦岩、メガネ岩と呼ばれる奇岩となっています。


手取川を下流に向かって追っていき、扇状地の扇頂部まできました。ここの、水が深く緩やかな流れになっている部分は、安久濤の渕と呼ばれているそうです。


河原に降りて、どのような種類の礫があるのかを観察しました。


堆積岩はもちろん、上流の地質を反映して、変成岩や火成岩もさまざま見られました。


気になった石の写真を撮っている生徒もいました。


二日目の最後は、福井県に戻って、福井県立恐竜博物館を、時間をかけてじっくり見学しました。


生徒たちはスケールの大きな展示物に圧倒されていました。また、巡回展の「ポケモン化石博物館」を追加で見学した生徒もいました。


屋上からの眺望も素晴らしかったです。


三日目は、手取川を下流に向かっていくという二日目の行程の続きとして、白山美川伏流水群を見て回りました(二日目の天気が崩れたために行程を変更しました)。写真は河口部分の手取川です。


扇状地の扇端部に、湧水帯が広がっています。


地域の方々が湧水を汲んでいかれる様子を何度も拝見しました。お茶やコーヒーを淹れるのに使っているとおっしゃっていました。


こちらは、安産川親水公園のやすまる銘水です。


この池には、巣をつくる魚として知られるトミヨが生息していて、生徒たちも見つけることができていました。15℃前後の清流にすむ冷水魚で、県の絶滅危惧種Ⅰ類に指定されています。


最後にまた福井県に戻って、日本有数の景勝地である東尋坊を訪れました。


紫蘇輝石・普通輝石安山岩の柱状節理が大規模に発達していて大変迫力があります。


断崖絶壁には思わず足がすくんでしまいます。


事故等なく、3日間を無事に終えることができました。関わっていただいたすべての皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。